アークリードLab

消防整備士が開発した加煙試験器 楽ECO

作業をする人にとって、
より安全で使いやすい試験器を開発

消防設備点検の現場で感じた疑問や課題をそのままにせず、商品を開発することで解決していきたい。私たちの開発した商品はすべて現場感覚が原点です。環境負荷を可能な限り少なくする、作業者の負担を軽減する、そしてコスト面でのメリットも実感できる。この3点で商品開発を進めています。
ノンフロン加煙試験器〈楽 ECO〉に続き、2022 年に電熱式加熱試験器をリリース。今後、更なる商品開発を進め、試験器といえばアークリードと呼ばれるような商品をめざします。

ノンフロン加煙試験器 楽ECOの開発ストーリー

環境問題に
真剣に向き合う

1969 年、消防法の改正とともに、煙感知器の設置が義務化され、煙感知器に関する試験方法が定められました。翌年には線香式の加煙試験器が開発。以降、スプレー式加煙試験器が発売。2003 年にはヒーター式の加煙試験器が発売されました。
一方、1997 年の京都議定書の制定をきっかけに、世界的に環境問題が注目され始めました。その後、徐々に温室効果ガスのひとつであるフロンガスを排出するスプレー缶を使った加煙試験器は徐々に見直しが迫られるようになりました。

加煙試験器の種類
発煙方法 線香式 スプレー式 ヒーター式
煙の発生方法 線香 オイル等と
フロンガス
オイル等と
ヒーター
取り扱い 火種がある為、
機器の取り扱いに
注意が必要
容易で
使用しやすい
電力が必要
タールの有無

加煙試験器はカップ式と竿式にわかれ、発煙方法は線香式・スプレー式・ヒーター式の3種類。
スプレー式はオイル等とフロンガスにより煙を発生させます。
ヒーター式はオイル等とヒーターにより煙を発生させますが、電力が必要です。
ノンフロンの意識の高まりを受け、2015 年に〈楽 ECO〉が生まれました。

オンリーワンの
商品

「環境問題に正面から向き合いたい」。
消防設備点検業を中心に展開していた当社にとって、自社商品をつくることは全社挙げての大きな目標であり、夢でした。ただし、売れれば良いという商品ではいけない。
オンリーワンの商品をつくらなければ。
当時、市場に出回っていた商品の仕組みを詳細に調べ、「なんとか、 社内で開発できないか」と模索。商品の機能を徹底的に調べ、素材も検討。
もちろん、環境にやさしい商品であることは必須条件でした。

発煙剤は
液体ローソク

発煙剤は何を使うか。これも重要な課題でした。環境に配慮した上で、十分な発煙を出せる素材はないか。一時はうまく行かず、あきらめかけたことも。
あらゆる素材を試し、たどりついたのが液体ローソク。想像とおりの煙を出すことができました。
徐々に試験器の構造も分析でき、ノンフロン式加煙試験器〈楽 ECO〉の全体像が浮かび上がりました。

作業者に快適な
作業環境を

作業者にとって負荷の軽減につながる軽量・コンパクトも重要な要素でした。
〈楽 ECO〉はアタッチメントを交換することで、高所や狭い場所での作業も楽。
さらに本体重量は約 700g。作業者の体力差に依存することのない作業が可能です。
また、スプレー缶を使った試験器に比べると、感知器ひとつあたりの点検コストは 100 分の1。
点検作業のランニングコストを大幅に減らすことに成功。使用環境において、
お客様から高い満足感を得ています。

作業コストを含む発煙コスト
スプレー式加煙試験器で
点検する場合の作業
  1. ガスをできるだけ少なく入れる
  2. 発報後は扇ぐ

※1 人当りの人件費を ¥15,000 とします

※経験の少ない技術者が行うことを前提としています

※作動試験を行う人と復旧作業を行う人が必要と仮定します (楽ECOは経験の少ない技術者でも、熟練者と同等の速度で作業が可能ですので、一人で計算しています)

※あくまで仮定ですので実際とは異なる場合があります

1日 400個感知器を作動させた場合
  • スプレー式
  • 楽ECO

コストと時間を削減できる!

開発者の目 ARKLEAD’s EYE

開発の根底にあるのは、使いやすいもの、喜ばれるものをつくること。
点検の現場で活躍する人にとって何が必要か、
また今後必要とされるものは何かを考え、常にチャレンジ。
ものづくりは今がゴールではなく、
常にスタートだと思い、取り組んでいます。